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全てのロマンが成田空港に

くろねです。京都の院生。国家公務員試験についての記事は凍結中。Twitter: @spine19642

2016年に見た映画と読んだ本と聞いた音楽のベスト10(1行レビュー付き)

2016年に見たものを適当に振り返ります。

 

2016年に見た映画best10

※年末に「君の名は。」「この世界の片隅に」「ローグ・ワン」という評判高い作品を見まくるので普通に順位変動しそう。

  1. サタデー・ナイト・フィーバー(1977):ブルックリンとマンハッタンの丁寧な対比、現在の「マイルドヤンキー」に繋がる友人たちの描写、トラボルタのダンス、人生の閉塞感。何度も見たくないけど見るたびに心を抉られる映画。
  2. フォレスト・ガンプ/一期一会(1994):主人公が明るく、好感のもてる映画っていうのは、どこまで暗い要素が伴っていたとしても最後まで楽しめるものだ。 
  3. シン・ゴジラ(2016):行政学と政治学で学んだ知識を使ってたっぷり楽しんだ、最高。
  4. きっと、うまくいく(2009):インド映画は陽陰がテンポ良く入れ替わっていくので見てて楽しいですね。色々重い要素はありますが結局は娯楽映画だと思います。
  5. パルプ・フィクション(1994):中身は全然ないけど楽しめるっていうのは良い映画なのだと思う。
  6. コラテラル(2004):銀髪・悪役のトム・クルーズがとにかくかっこいい。トムのかっこよさゆえに見落としがちだけれども、主人公の成長物語が丁寧に描かれているので、見終わった後には充実感。
  7. スターウォーズ・エピソード7(2015):やっぱりスターウォーズって見ててワクワクしますよ
  8. サイコ(1960):階段落ちるシーンのカメラワーク。あと前半で偽テーマを示しておいて後半でそことの矛盾を観客に楽しませる、そのへんの構成はヒッチコック天才だなって思う。
  9. その男、凶暴につき(1989):たけしが背中に銃を隠すシーンが最高だ。
  10. ゴーストバスターズ(2016):期待せずに見に行ったんですがよかったです。フェミニズムとかどうこう言われてるけど、目の前の娯楽をしっかり爆笑してやればいいんじゃないかと思う。

2016年に読んだ本best10

  1. 月と六ペンス/モーム:もう10回くらい読んだ。これを超える小説はしばらく出てこなさそう。
  2. 坊っちゃん/夏目漱石:20年ぶりくらいにNHK朗読をきっかけに再読。当時とは見方が全く違ってて面白い。坊ちゃんの生きづらさ、清との関係性を思うたびに涙が出そうになるのです。
  3. ゲーテとの対話/エッカーマン:ゲーテという天才の軌跡を残そうとひたすらメモを残したエッカーマンの献身に感謝すると同時に、彼はその後自分の人生を生きることができたのか、ゲーテから自立することができたのか、なんてことを考えてしまう
  4. 旅をする裸の眼/多和田葉子:人生初の多和田葉子。この人は魔法使いだなと思った。言葉遣いの緻密さ、欧州の冷たい空気感、そういうものを自在に操っていてすごいと思うのだ。
  5. 現代議会主義の精神史的状況/シュミット:シュミットの議論はその切れ味故に、援用すれば相手を打ち負かすほどの破壊力を伴ってしまう。それを振り回す、敵を倒すための武器として用いる、それは果たして正しいことか、なんてことを考え続けていた。
  6. 服従/ウェルベック:下ネタで笑わせながらきついテーマ読ませる筆力すごいって思います。
  7. 四日市・死の海と戦う/田尻宗昭:公害問題の本。メーカーに入社した大志ある若者たちの末路を描くシーンが刺激的だった。
  8. いけばな/笹岡隆甫:先生の本。実は未だに理論としていけばなを学んでいなかったので、これまで感覚で触れてきたものを理論的に裏付けることができてよかったです。一般書なので誰にでもおすすめ。
  9. 外交談判法/タレーラン:11月、エアロバイク漕ぎながら読んだ本。外交官に必要な資質としての「誠実さ」を、ありとあらゆる面から書き出した名著。
  10. すばらしい新世界/ハクスリー:森川先生オススメのディストピア小説。ハッピー・ピルについての議論で先生とさんざんやりやったので印象深い。

2016年聞いた曲best10

※アーティスト被りはボウイを除いて避けていて、一組一曲にしています。

  1. 徒花/みつきゃすたー:言葉と音に収まらない、凄まじい何かに満ちた曲です。
  2. I Can’t Give Everything Away/David Bowie:これを聞いた日にボウイが死んだ。「全部は残してあげられないよ」っていうボウイの言葉が、時間が経つにつれて重みを増していくのを感じます。
  3. Stayin’ Alive/Bee Gees:サタデー・ナイト・フィーバー。身体ゆらして歩きたくなりますね。
  4. 音楽ワルキューレ2/DOTAMA:夏前くらいに飽きるほど聞いた。耳触りがいいからいくら聞いても飽きない。
  5. オーロラの国/永原真夏:永原さんは、ともすれば色々考えてこんでしまう人なのかなぁと思った。「賢い君ならわかるでしょう、適当でも生きてゆける」という一文が、ともすれば適当になれない「賢い君」を示しているような気がして、なるほど生きるって難しいなって思う。
  6. Sunny/Ann Burton:2015年末にぶらり入ったジャズバーでアンバートンを覚えた。いい歌手です。かっこいい。
  7. Blackstar/David Bowie:ボウイ。最後までかっこよかった。
  8. 醒めない/スピッツ:Mステで見かけて聞き込んだ。おっさんになっても情熱を燃やせるだろうか。
  9. You Never Can Tell/Chuck Berry:パルプ・フィクション。ユマ・サーモンとジョン・トラボルタのダンスシーンのアレ。
  10. 宝石になった日/BUMP OF CHICKEN:BUMPのアルバムから。ライブ演出がとっても好きだった。

 

来年も素敵なものたちに出会えるといいなぁ。

 

 

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法③[二次論述試験編]

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法①[勉強計画を立てる前に] - 全てのロマンが成田空港に

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法②[択一・専門試験編] - 全てのロマンが成田空港に

 

駅横のコーヒーショップで、大学の図書館で、毎日、真摯に、鉛筆を動かし続けたあなたは、

一次試験をニヤニヤしながら自己採点できるはずだ。

一次合格のボーダーラインが何点くらいだろう、と気になるかもしれないが、

あまり気にせず、早めに二次試験の勉強に取りかかるのが良いと思う。

例年、一次試験と二次試験との間には約一ヶ月の時間がある。

この記事は、一次試験終了後、初めて二次試験の勉強に取りかかる人を念頭に置いている。

理由は簡単で、僕がそうだったからだ。

 

さて、今回は論述試験だ。

僕は政治学、国際関係、行政学を選択した。一次試験の勉強に用いた教科書をそのまま使うことができるからだ。

法律に自信がある人は憲法を選択するのもオススメだ。法律の論述は、司法試験の存在ゆえに良質なテキストが多く、他の科目に比べて対策がとりやすい。

 

まずは過去問を見てみよう。「まずは」と言いつつ、それで殆ど完結するんだけど。

パラパラと頁を繰ってもらうと分かるが、政治国際区分の論述試験では、多くの問題が一行問題で出題されている。

 

相変わらず教科書と向き合う勉強が続く。

 

過去問を見る→教科書を使って答案メモを作る→実際に自分で答案を作る→繰り返し。

とりあえず、各科目10年分位解いてみると良いと思う。

 

こういうことを言うと、「過去問と同じ問題は出ないでしょ?」と感じる人が居るかもしれない。

ただ、過去問を解かないと、「国家総合職試験」における教科書の読み方が身に付かない。

(これは一次試験にもあてはまることではあるけれど)

政治学や行政学の教科書というのは、そもそも試験対策を念頭に置いて作られていないものも多い。

そんなわけで、試験の性質を考えずに、やみくもに教科書に取り組むのは危険だ。

頁と頁の間でぶくぶく溺れているうちに、研究者の積み重ねた知識の体系に飲み込まれかねない。

だから、それらを用いて試験対策を行う以上、まずは「国家総合職試験」、その二次試験がどのような試験なのか、を徹底的に考える必要がある。

 

過去問を解き終わったら、教科書の各章の後ろについている練習問題を解くと良い。

上で挙げた教科書はどれも練習問題が充実している。

 

そうこうしているうちに一ヶ月なんてすぎてしまう。

二次試験について、できることは少ない。

過去問と教科書、そして練習問題。

シンプルなプロセスだけど、僕はこれらをひたすら繰り返して、結果的に全ての科目で平均以上の得点を得ることが出来た。

 

次が最後、人事院面接編。

(一番長くなりそうなのでまた期間が開くかもしれない…というか需要あるのかな、この一連の記事)

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法②[択一・専門試験編]

国家公務員試験

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法①[勉強計画を立てる前に] - 全てのロマンが成田空港に

教養科目については他の区分と同様に対応できるので(詳しくはGoogle先生に聞いてください)、ここでは政治国際区分の専門科目について書く。

 

従来の国家公務員総合職試験(以下、国総)政治国際区分は、とにかく科目数が多かった。

専門試験だけで、政治学、行政学、国際関係、民法、憲法、行政法、ミクロ経済学、マクロ経済学、経済事情、財政学…と非常に多くの科目を扱う。

しかも、政治学や国際関係は非常に範囲が広い。政治学には政治原論、政治過程論、西洋政治思想史、日本政治思想史、政治史など多くの分野があり、国際関係についても、国際政治、アメリカ政治、時事問題などから幅広い問題が出題される。

僕が通っている大学では、これらの分野はそれぞれが2単位か4単位の専門科目として提供されている。

政治学や国際関係は配点が大きく(2016年度試験からはこの二科目で出題数の5割を占める)、必ず押さえなければならない科目だ。

しかし、配点が大きいからこそ、他の科目と比べて非常にヘビーな勉強が求められることも覚えておいて欲しい。

 

なお、法律科目や経済科目については、法律区分、経済区分で出題される問題と同じものが出題される。

もちろん「国家総合職レベル」の問題である。しかし、あくまでも「政治国際区分」であることを考慮してなのか、出題される問題は各区分のなかでも標準的な問題であることが多い。

よって、法律科目や経済科目については、政治科目ほどの勉強は求められない。後に挙げるスーパー過去問ゼミを3周もすれば対応可能だ。

 

一方、政治科目は非常に難しい。当然である。

とはいえ、ここで求められる勉強は、学部試験で単位をとるためのものではない。

あくまで公務員試験で6割を得点するための勉強だ。

難しい専門書にいきなり挑む必要は無い。先ず敵を知れ。

というわけで、基礎知識について、過去問に準じた問題集を解きながら身につけていく。

政治学や行政学においては、必要最低限の知識が網羅されており、かつ問題形式でそれを学べるテキストは数少ない。

長くお世話になることだろう。

ただ、スーパー過去問ゼミ(以下、スー過去)でも難しい、と感じる科目については、もう一段階簡単なテキストから始めることがオススメだ。

なお、僕は法律が非常に苦手だったため、法律科目についてはもう少し薄いテキストから始めた。

いずれのテキストを使うにせよ、汚すこと、壊すことを恐れないで欲しい。

時間がない以上、ノートにまとめる時間など無い。

テキストに直接線を引く。気付いたことは書き込む。

スー過去のように、問題と解答の参照が難しいテキストについては、2冊購入し、片方をカッターなどでバラし、「解答編」として用いることが有効だ。

「もったいない」と言う人がいるかもしれない。

けれど、この方法は時間の短縮に非常に役立つ。

騙されたと思ってまずは一科目、二冊買ってみて欲しい。

 

スー過去の内容を一通り覚えたら、政治科目以外はもう大丈夫だ。

逆に言えば、政治科目の勉強はここからが本番になる。

公務員試験予備校は政治国際区分に力を入れていない。

そのため、いわゆる「スー過去レベル」を超えた問題については、予備校本を頼ることが出来ず、どうしても専門的な教科書を用いる必要が出てくる。

 

とはいえ、恐れないで欲しい。

この二冊を購入した段階で、あなたは既にスー過去の内容を頭に入れている。

僕自身、恐る恐るこれらのテキストを手に取ったが、基礎知識を叩き込んだ後だと、数日もかからずに読了することが出来た。

 

教科書と並行して、国家総合職レベルの政治科目に触れておこう。

問題を解き、わからない問題は教科書で調べる、という方法を取るといい。

載っていないこともある。その場合は、各テキストの参考文献コーナーにある教科書を見ればすぐに見つかる。

それでも見つからない場合は無視してもいいが、どうしても気になるなら、Googleで調べるなり、図書館で政治学の事典を引いてみると良いだろう。

 

戦後日本政治史やアメリカ政治史など、歴史系の問題については、大学受験用のテキストも活用しよう。

 

ここまで紹介したテキストを、出来る限り集中して、出来る限り長い時間続けていく。

僕は生活費を稼ぐためにバイトを週3〜4日入れていた。それでも、空き時間に集中することでなんとかこなしきった。

 

3月に受験した模試では40点中の12点しか得点できなかった。

けれど、ここまで挙げてきたテキストと向き合い、学び続けることで、本番では31点まで伸ばすことが出来た。

 

次は二次論述編。

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法③[二次論述試験編] - 全てのロマンが成田空港に

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法①[勉強計画を立てる前に]

国家公務員試験

タイトルは絶妙な詐欺である。

ある種の備忘録として書いておく。

殆ど基本的なことしか書かない。

ただし、一番最後だけは別だ。いかにして無駄な勉強時間を省き、少しでも多くの勉強量をこなすためのテクニックをまとめるつもりだ。

 

さて、経験上、公務員試験の受験生の大半は一次試験で苦しむわけだし、二次試験の論述もどう取り組めばいいかわからないはずだ。ましてや面接対策方法なんぞチンプンカンプンかもしれない。(私自身そうだった。)

何をやればいいかよくわからないからググってみたらこの記事にたどり着いた、という人も居るのかもしれない。そんな人が読んでくれればいい。

 

この記事は、年が明けた頃になって、初めて「官僚になりたいッ…!間に合わないッ…!」と思い始めるような、いつぞやの僕みたいな人々に向けて書いている。

まだ間に合う。遅くない。

 

僕が国家公務員試験の受験を決めたのは2月の下旬だった。

元々挑戦したいという強い思いがあった。でも、法律が苦手すぎて、自分には一次試験合格すら無理だ、と思い込んでいた。

しかし未練があった。だから迷走した。「新聞社気になる!(12月)」「通信社に行きたい!(1月)」「ベンチャー受けるわ!(2月)」を経て、いよいよ逃げられなくなった。

本当に諦めていいのか。諦めなかったらどうするのか。何度も自問自答した。

 

諦めたくない。でも、法律は難しすぎる。

優柔不断な自分が出した答えは、政治国際区分での受験だった。

 

受験を決めた。でも、何もわからない。

公務員試験予備校で行われていた、無料の相談会に足を運んだ。

「今年の受験を考えている」と伝えた。「来年に切り替えて一緒に勉強しませんか?」と提案された。

「いや、今から始めて合格したい」と伝えた。「一次試験すら難しいと思う」と返された。

 

仕方が無いので、自分で考えることにした。

とはいえ、自分は公務員試験について何も分からないままだった。

Google先生に尋ねた。

本の力を借りた。

あとは受験経験のある友達に尋ねた。

時間が無いからこそ、最初の一歩は慎重に進まなければならないと感じていた。

 

最初の一歩として、勉強計画を考える前に、まず過去問に取り組むことにした。

2015年度試験までの政治国際区分は、他の区分と比べても、専門試験の範囲が極めて広いことで知られていた。

(2016年度からは制度が変更され、若干受けやすくなるみたい)

僕はほぼ全ての科目についてノータッチだった。それでもまず、過去問を解いた。

この段階で解くのは1〜2年分でいいと思う。

知識も全く無い段階だけど、とりあえず、5択を見て、正解探しにチャレンジしてみよう。

もちろん、知識で正解の選択肢を選ぶことは出来ない。けれど、この作業を繰り返すうちに、「あれ?これもしかしたら正解じゃないか?」という、第六感じみた感覚を覚える瞬間が必ずある。

これから試験当日まで、その感覚を磨き続けてほしい。

全ての選択肢を知識で検討できればそれに越したことはない。ただ僕には時間がなかった。あなたにも無いかもしれない。

試験当日、あなたが「知識がないのに正解する」ためには、この感覚を磨いていくことが必要になる。

僕はこの感覚によって、問題全体の1割程、知識がないにもかかわらず正解をもぎとることができた。適当に選んだわけではなく、自信を持って選択した上で、だ。

 

話を戻そう。

僕は過去問を解いてみて、「なるほどこういう問題に取り組むんだなぁ」と感じて、いよいよ基礎的な勉強を始めることになった。

マラソンで例えるなら、本番に走るコース全てを、途中で歩きつつも走りきった段階だ。

次は体力作りだ。ランニングだ。しんどい時間だ。

知識ほぼゼロだった僕が3ヶ月弱で国家公務員総合職試験政治国際区分の合格最低点を170点ほど上回った勉強法②[択一・専門試験編] - 全てのロマンが成田空港に

思想書読むとトリップする

E.フロムの「自由からの逃走」で、ルゥターとカルヴァンをガッツリ掘り下げて行く部分が20×2ページくらい続くんだけど、

その辺りを読んでいると、脳味噌に何か生暖かい液体を流し込まれたような、

なぜかどんどん頭が悪くなっていくかのような、

そんな錯覚を覚えてしまう。

そうしてどんどん頭の回転が悪くなっていって、

ああ、私はきっとここで止まるんだと思ったりして、

ふと気がついてコップ一杯の水を汲んで、飲み干すと、

また頑張れる気がしてくる。

 

そりゃこの学問がみんなの身を滅ぼすわけだな、と。

喫煙所で

私は煙草を嗜まない。が、喫煙所の独特の空気が好きだ。

食卓の代わりに灰皿を囲んで、モクモクと煙をくゆらせ、煙の上で言葉を交わす。

良いですねぇこういうの、と私がぽつりこぼすと、決まって彼らはこう言う。

「いや、くろねさん煙草吸わないじゃないですか」

吸わなければ嗜めない世界もあるらしい。

 

政治思想史ゼミの帰りに、仲の良い面子で灰皿を囲んだ。

就活の話だとか恋愛の話だとか、ほろほろ煙に乗せて話した。

 

そしてフラッシュバック。

散らばったそれの匂いは先ほどの食事の匂いそのもので。

 

焚かれた光源が収まって、

もういちど煙に乗せますか、と尋ねたら、

彼女は言った、煙草を切らした、と。

 

ははは、よくあることだと笑った。

笑ってしまって良いのか、少し迷ったけれども、

それしか出来ないなあ、と、やけくそのように、みんなで笑って、帰った。

思っていたよりも遠く

毎日毎日湯水のように知識を流し込んでいる。

かれこれ2ヶ月ずっと毎日、空いている時間をずっと使ってきた。

 

準備ができた、と思ったので専門書に手を出した。

驚いた。こんなに早く知識と知識の間の線を繋げることが出来るとは。

1冊読めれば上等と思っていた専門書は3冊になり、いつのまにか5冊になった。

基礎固めの重要性を知る、5回生の春。

 

今期のゼミは政治思想史ゼミ。

30人という大所帯ゼミ、そこらにちらほら見当たるキレ者たち。

E.フロムの「自由からの逃走」を読む。必死で読むから頭がクラクラしてくる。

 

勉強すればするほど、もっと遠くまで自分が行けることに気付く。

だけど「思っていたよりも」遠いだけであって、それが目的地まで続いているのかどうかは分からない。

自分基準だそれは。用意される物差しは自分ではない。

 

それでも、自分の中にある物差しは自分しか無い。

その物差しを信じられるか。その物差しに狂えるか。

とりあえずまあ、頭がおかしくなるまで、もう少し、必死で勉強してみよう。