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全てのロマンが成田空港に

くろねです。京都の院生。国家公務員試験についての記事は凍結中。Twitter: @spine19642

以前「京大わらしべ」という企画で書かせてもらった交渉についての記事

交渉の部分だけ抜き出しました。少しだけ修正してます。

 

 

 

さて、折角頂いた機会なので、のんびり色々書かせていただきますね。

くろねです。
交渉学がとても好きで、毎日交渉のことばかり考えて生きています。

好きなものの話をします。

私は、交渉、negotiationがとても好きです。
交渉、と聞くと、立て篭もった犯人から人質を救い出す技術、というようなものを思い浮かべる方が多いかもしれません。
確かにこれも交渉です。ただ、それはあくまで交渉の一側面に過ぎません。
実際の交渉とは、もっと幅広い、対人関係一般を扱うものです。
ざっくり定義をすると、交渉とは、「自分と他者の利害を分析し、理解した上で、異なる立場にある他者と合意を結ぶための方法」です。
私たちは、自分たちの人生において、交渉から離れて生きていくことはできません。
恋人との痴話喧嘩から、企業間のビジネス取引、ひいては国家間の外交問題まで。
社会的な生き物である一方で、個としての力が小さい私たちは、何か大きな目標を達成したいと思うときに、他者と協力するという手段をとらざるをえません。
しかし、その手段を、無条件で選択することはできません。どうしてでしょうか?
それは、私たちが、自身の立場や利害を優先するがゆえに、他者の立場や利害を絶対視することができないからです。
ただ、そのために協力を諦めると、私たちは大きな目標を達成できなくなってしまいます。
大きな目標を達成できなくなると、私たちは小さな目標しか達成できなくなります。
小さな目標しか達成できない社会はつまらないですよね。ロマンがありません。
そこで私たちは、大きな目標を達成するために、自身と他者の立場及び利害を、互いに尊重することになります。
言い換えれば、私たちは他者と「合意」を結び、協力することで、大きな目標を達成することができるのです。
そして、その「合意」を結ぶための手段こそが、「交渉」、というわけです。

上述したように、実際の交渉に臨む前には、自分と他者の利害を分析し、深く理解していく作業が必要になります。
私は、この作業を交渉「準備」と呼んでいます。
より良い分析と理解のためには、否応無く、私たちは自分自身と向き合わざるを得ません。
自分は何をしたいのか、何を許すのか。
いわば、自己との対話を経て、私たちは自分自身の利害を把握していくのです。
そして、これは、他者の利害についても同様です。
相手が何をしたいのか、何を許してくれるのか。
他者という一個人を理解するためには、自分自身の枠組み、常識にとらわれず、他者の価値観や考え方を受け入れなければなりません。
時には、自分にとって全く異質なものを理解する必要に迫られることもあります。
しかし、そういった苦難を乗り越えた先に、自分と他者の相互理解が待っているのです。
自分にとって許せないと考えていた利害を受け入れたときの感覚は、他では得がたい、素晴らしいものだと思います。

色々話しましたが、ここまで私がお話ししてきたこと全ては、交渉「準備」の段階のお話です。
実際の交渉の場では、以上で分析した利害を基に、様々な技術を用いて合意の実現へと前進していくことになります。
BATNA限定、アンカリング、アイスブレイク…技術の話を始めると止まらなさそうなので、ここでは省略させていただきます。

長々と交渉「準備」について語らせていただきました。
交渉に興味をお持ちになった方、交渉をしてみたいという方が現れてくれれば幸いです。
もしそういった奇特な(笑)方がいらっしゃったら、京大で現在行われている交渉WS「neco」(※執筆当時くろねが主催していた交渉WS。現在お休み中。)にお越しください。
開催前にはいつもFBで宣伝させていただいてますので、興味をお持ちになった方は、私に友人申請を頂ければ、どんどん宣伝させていただきます。

では、皆さまといつか交渉できる日を心待ちにしております。ありがとうございました。